昨日、横浜にあるアンパンマンこどもミュージアムに家族で行ってきた。
アンパンマン。
最近ようやくそう言えるようになったうちの子どもは、大人に「これがアンパンマンだよ」と言葉で刷り込まれる前にアンパンマンに反応し、アンパンマンを大好きになってた(実はミュージアムに行くのも2度目)。そしてオレが知ってる子でアンパンマンが嫌いだという子はいない。アンパンマンのキャラクターは何か、子どもの心を掴むすごい要素を持っているのではなかろうか?
いつもそう思う。
きっとそうだ。
そんな事を考えていた時にふと、アンパンマンの原作者、やなせたかし氏のファーストネームが、最近サザビーズで作品「マイ・ロンサム・カウボーイ」が約16億の値をつけた村上隆氏と同じじゃねーかと思った。
16億。すごい金額だ。本人に入るのは全額じゃないだろうけど、それにしてもすごい金額が入るんだろうな〜。
予備校時代、一度村上氏の授業を受けた事があるけれど、とても常識的な事を言う人だった。例えば遅刻してきた奴に「そんな制作意欲じゃ出来上がるものも知れてる」とか、廊下で一服してる奴に「そんな余裕があるのか」とか。その姿しか知らない人には、精子をまき散らすフィギュアの作者とその予備校講師が重ならないんじゃないかと思う。実際オレも村上氏が今の作風を展開し始めた時にそう思った。だからメディアを通して彼のコンセプトに触れる前から、彼は作りたいものを作るというより市場を意識して作るんだろうなと何となく感じてた。
が、16億の値がついたあの作品、素直な気持ちで欲しいと思いますかね?あの作品を作るのは大変なのは僕なりに分かるけど、大変なだけならシュバルの理想宮の方がよっぽどすごいし。
一体何が16億なんだ?
分からん・・・。
村上隆氏は作品の何をもって達成感を得るのだろう?
分からん・・・。
ただ、オレはあの作品を欲しくないし、作れるとしても作りたくない、と思う。
村上隆氏とやなせたかし氏。
もしどちらかになれるのならオレはやなせたかし氏になりたい。
作品に触れた時の反応はうんちくを並べられるより、ミュージアム内を走り回る子ども達のそれの方がオレはよっぽど嬉しい。
たぶん稼いだ金も16億以上ありそうだし。
という訳でオレの頭の中で展開していた「村上隆VSやなせたかし」戦はやなせたかし氏の勝ち。