先週、オレが大学で助手をやっていた頃生徒だった子が遊びに来てくれた。1週間も時間を作ってわざわざ来てくれたにも関わらず天気はすぐれず、というか、初雪まで降ってしまったし、きっと当初予定していたよりも行動できなかっただろうと思う。
しかし天候には恵まれなかったが、彼女は今回の旅で貴重なものを見たとオレは断言出来る。
それは城である。
城の名前は徳川城。スゲー名前の城だろ?
これはオレが東京に住んでいる間に隣町の赤平(あかびら)という町にいつの間にか出来た建物で、そんな最近建てられたものであるから当然「城」として機能していた建物ではない。何でも、日本人形の製造会社が工房だか、展示会場として建てたんだそうで、城の本当の名前も人形工房徳川城。よく見ると窓にも「ひな人形」「五月人形」と書いてある。
城が人形工房ってなんじゃそりゃ?
と思わん人はいないだろ、きっと。
城の中で人形が作られているなんて、そこらの現代美術よりも訳が分からん。訳が分からんものが芸術だとしたら、こいつはかなり芸術である。そのデカさからいえば村上隆なんか比じゃねーぞ。
前々から気になっていたこの建物、今回、天気に振り回されて思い通り出歩けない彼女を引き連れてとうとうその敷地に足を踏み入れたのだが、残念ながら今は使われてないようで、建物の中には入れなかった。しかし裏側に回ったら石垣にガラスがはまってたからウケた。
浦沢直樹氏の「20世紀少年」に出てくる裏側がハリボテの建物みたいじゃねーか。
写真を撮らずにいられんかったよ。そしてそんなオレの姿を彼女は写真に撮らずにはいられんかったらしい。
オレが思うに、北海道人(もちろんオレも含めて)は一般的に他都府県に比べて日本としての歴史が浅い事が頭の隅にある。それが大きな葛藤になり、更にそれが大きな金と繋がると、突如としてこういう日本的だったり、歴史の長さを感じさせるイミテーションの建設になっていくのであるが、こうした訳の分からない建物が集まっている町は間違いなくオレが今住んでいる芦別市である。
ビビるぞ絶対。訳の分からんもののオンパレードだからな。ある意味世界遺産だ。
気が向いたら、取材してくるよ。
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