次は12月に大阪のギャラリーデンさんにて個展を開催します。
今年は2月のギフトショーを含めると2月、4月、8月、12月、と、組んだ展示は4回。1年にこんなに展示を組んだのは始めてです。正直に言えば計画性が足りず、こうなってしまいまして・・・。会場も東京、東京、北海道、大阪、といろいろな場所だし。
だから予定表を見る度に自分でもどうなるのかと不安で不安でしょうがありませんでしたが、なんとか3回は終わらせる事が出来たし、4回目もしっかり取り組めば大丈夫でしょう。
といいつつ、やっぱりプレッシャーは感じますが。
先月から次の展示の準備を始めています。
今度お世話になるデンさんとは10年前にある方を通じて知り合い、2000年にオレの展示を企画で組んで下さって以来お付き合いいただいております。それまでオレは大阪とは全く縁がなかったのだけど、個展の後、キリンアートアワード受賞作品展の巡回展でキリンプラザ大阪に行く機会があり、そういう流れもあってデンさんがオレの活動を大阪に広げて下さったと感じる思い入れ深い会場です。2005年にも個展を企画して下さいました。
デンさんのオーナーの手島さんはとても素敵な方です。時に厳しい事も言われますが、しかしそれは期待を下さっているからと感じる言葉です。
美術の世界では曖昧な言葉で褒められる場面が結構あります。だからと言ってその人が作品を買ってくれる事はほとんどありません。「売れない」つまり「買わない」事が前提になっている業界なのでいくら褒めたっていいと認識しているのでしょう。アーティスト同士の間ではそれは励みになる場面もありますが、ギャラリストがアーティストに対してもそうした言葉しか口にしない場合は作品を売る気がなく、ただ、アーティストが払う賃貸料をあてにしていると言ってもいいかもしれません。
アーティストが用意するものが作品だけでなく、賃貸料も、というのは考えれば考える程おかしい。それで作品を売ってくれるならまだしも売れなくても申し訳ないと言ってくれる訳でもないし。つまりそうした画廊にとってはアーティストが画廊を借りた時点でビジネスが完結しているのです。ちなみに銀座の画廊だと1週間で約30万、日割り計算すると1日5〜6万円かかります。
でも手島さんは違いました。厳しい事をおっしゃいます。それは「売ろう」としているから。実際前回お世話になった時は小品を全て売って下さいました。売れないものは扱わない。ビジネスとしては当たり前の事をしていたデンさんですが、残念ながら12月の展示で閉廊してしまいます。
最後の展示の作家としてオレを選んで下さった事を考えると(デンさんには展示スペースが2つあり、一つはデンさんを拠点として活動し、東京にコレクターまでいらっしゃる方が展示される)、オレにその大役が務まるかという気持ちになりますが、今やれる事を精一杯やってみようと思っています。
実は先月いろいろとハードな事が重なってしまい、だから制作を止めようと思ったりもしてました。
今もそのハードな事は解決出来ておりません。だから立ち止まったり、何もせずにいると後ろ向きな思いに押しつぶされそうになります。でもそんな中で木にのみを振るい始め、そこに気持ちが入り始めたら今なら空を飛べるんじゃないかと思える程強い気持ちになれます。
止める理由っていくらでもあります。
時間がない、金がない、余裕がない、場所がない。
どれも本当の事。
つまりいつだって止められる。
じゃあ、いつ止めたっていい。ただ、手島さんのようにオレが作品を作る事を期待して下さる方がいらっしゃる限り続けようと思います。
それがオレが制作を続ける一番のモチベーションであり、そして多分続ける理由です。
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