ここで何度か触れているように現在オレは木製玩具を作っています。製品は、例えると木製プラレール、あるいはトミカといった感じの車や電車、道路標識、踏切なんかを組み合わせて遊ぶ玩具です(サイズはもっと大きいです)。
製品を作る時は玩具としての面白さやデザインを考えつつ、やっぱり子供が使うものだから怪我しないようにと考えなければならないのだけど、近年、中国製玩具にいろいろと問題が発生している事もあり、玩具の安全性についてはギフトショーでウチのブースに来て下さったお客さんもかなりシビアな目で見ており、特に塗料については「舐めても問題ないものか」とほぼ全てのお客さんに確認されました。
その点についてはいろいろな業者に当たって玩具に使える塗料を紹介してもらったものを使っているので「大丈夫です」と答えられるのだけど、販路として希望していた百貨店の玩具売り場は<ST>という日本玩具協会が設けた玩具の安全基準をクリアした製品しか扱わないところが増えており、その検査を受けていないオレの製品はそこで振るいにかけられてしまいました。ある百貨店の方のお話だと、ここ1年くらいで急激にそうなっていったらしいのですが、それは世の中の流れを考えても業界全体に波及していく動きと思われるし、だからオレもそれは必要な事と思い、日本玩具協会ってところに電話したところ、応対してくれた女性がSTの基準を記載した冊子が2500円で販売されてる事を教えてくれました。
百貨店が求めるようなSTマーク付きで販売するにはしかるべきところで検査を受けなくてはいけないのだけど、そこに記述されている事を確認しながら製品化を進めるだけでも今よりもST基準に近付けるし、そうすれば検査を受けられるし、だからそいつは是非とも欲しい!!
という事でどこで手に入るのかと訊いたところ、「こちら(東京)に来て購入して頂くか、現金書留で代金を送って頂くことになります」との返答。
現金書留?
名だたる百貨店が玩具の安全性の判別にあてている基準、それが記載された本を手に入れる手段が現金書留?
2009年の今、銀行振込とか代引があるというのに現金書留?
日本玩具協会って一体どんなところなんだろうか?
そう思いましたよ。
そして、現金書留なんて言葉を聞いたせいで、国鉄とか、電報電話局とか、スーパーカーライトの自転車とか、インベーダーとか、エマニュエル夫人とか、ノーパン喫茶とか、プリンプリン物語とか、「現金書留」と同じところで記憶していたらしい言葉と映像が頭の中に溢れました。
いや、分かってます。現金書留という通信手段は今も使われています。
ただオレのイメージを言わせてもらうと、それは個人間で残っている通信手段であって、商売で使われてる事ってほとんどないような・・・。
なんというか、ポケベルに連絡下さいと言われたような、あるいは「ケータイ使う?」と言われて渡された電話が肩からぶら下げるタイプの、鞄のようにデカイ携帯電話だったというような、そんな気がしてしまう強烈な言葉でして。
とにかくそのシブさに感動し、出来る事なら、伊藤博文の千円札2枚と岩倉具視の五百円札で購入したい気分です。
話はかなり脱線してしまいましたが、とにかくSTです。頑張ります。
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