昨日は今年初めての札幌出張。片道120キロ、夏でも下使って3時間近くかかる距離ですが気合い一発日帰りです。
厨子を作ってほしいとのご依頼のあったお客さんへご注文の品を届けに行ってきた。
札幌に向かう途中、信号に合わせて止まろうとした時に人生で初めて車をスピンさせてしまった。ブラックアイスバーンに気づかずブレーキを踏み込んでしまい、車は横向きになり、路肩に積み上げてあった雪山に激突して止まった。道がひどくてスピードは40キロしか出してないのだが、それでもあんな事が起こる。
幸い、周りに車も人もいなかったから他者を巻き込む事はなかったけど、スピンし始めてから雪山にぶつかるまでの数秒感、車が滑るだけで何も出来ずすげー怖かった。
場所は美唄というところ。記録的な降雪量が全国ニュースでも流れていた岩見沢という町のすぐ隣り。美唄から岩見沢辺りの道路沿いの歩道には積み上げられた4メートルくらいの雪の壁が延々と続いてて、道路脇にどんな家や店があるのか全く分からない状態になってた。
今年の雪の量は本当にすごい。この辺であんなに雪が積もった光景、子供の頃の記憶を辿っても思い出せない。まだ1月だが、雪はもう降らんでほしいよ。
岩見沢に入ったら「災害派遣」というゼッケンみたいなものをつけた自衛隊車両の隊列を見たのだが、こういう活動(作戦?)中だったようだ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120119-OYT1T00783.htm?from=navlp
その後札幌でお会いしたお客さんとはこれまでに電話では何度も話をしていたけど、お会いするのはこれが初めて。
お聞きした話がどれもとても興味深い話だったのでここで紹介したいくらいなのだけど、それを読む人が読めばその方を特定出来てしまうかもしれない、そんな繊細な話でもあるのでやっぱりやめておこう。
お話から古希に近いくらいのお年と思われるのだけど、歩かれる姿が背筋がピンとのびて颯爽とされてて、また、興味のある事には孫くらいに年の離れてる年齢の集団でも積極的に入っていき活発に活動されてて、とても若々しく気品のある素敵な女性だった。
作らせて頂いた厨子を見て頂くと、とても喜んで下さった(厨子については後日また別に更新します)。
今のオレの生活で「オレは一体何をやろうとしてるのだろうか?」と考えてしまう場面がよくあるくらいに、オレはいろいろな物を作って生活している。彫刻家、絵描き、漫画家、カメラマン、そんな肩書きを迷いなく口に出来るような創作活動をしている友人達がいるため、自分のそんな何だかよく分からない状態に普段は葛藤や不安を感じてるのだけど、でもこうしてご依頼下さったお客さんに品物をお渡しした時に喜んで頂けると、そういうネガティブな気持ちは一瞬で吹っ飛び、作ってよかったと心底思う。
納品の後、前から欲しいと思っていた宮嶋茂樹さんの写真集「再起」を購入した。
この方を知ったのは多分パリにいた時かその直前。日本を離れる機会とリンクしたのか、写真とその横に口語体で綴られた憂国の言葉が深く心に刺さった。
オレは馬鹿なくせに馬鹿を隠して大学院なんてところまで行ってしまったものだから、話す言葉も綴る文章も知的なものにしなければならないんじゃなかろうかという強迫観念がある。だけど、所詮中学高校時代の愛読書が少年ジャンプ、好きな言葉は「てめぇらの血は何色だ!」なオレにサルトルがどうのとか、形而上がどうのという言葉を話せというのが土台無理な話。自分でも何を言ってるのか分からなくなるような小難しい言葉を口にするくらいなら、この方のように少々下品でもざっくりと心に突き刺さるような自分の言葉で語りたい、そんな事をいつも思わされる方です。
この方に興味を抱く理由は綴る言葉だけにあるのではなく、大学の卒業制作として赤尾敏氏を撮り続けたり、卒業後は戦場カメラマンとしてあちこちの戦場に赴いたり、その行動力にもとても惹き付けられる。
行動力。
オレが昨日お会いしたお客さんと宮嶋茂樹さんに感じる魅力はこれですね。お二人に限った事ではなく、それを感じる人にはどんな人にも惹き付けられますが。
帰りは行きでスピンした事もあり相当慎重に車を走らせた。日が暮れてたから周りの車も同じようにすごく慎重に走ってた。ブレーキを踏む時に高橋名人の早打ちなみの早さでポンピングブレーキをしてる車を何台か見た。きっとスピンして死を感じるような思いをした末に編み出したブレーキングだろう。オレも早速取り入れてみた。教習所で習ったのんびりしたポンピングブレーキでスピンしてしまったからな。
途中ガソリンを入れた時に窓ガラスを拭いてくれたスタンドのスタッフが、クソ寒い中素手で拭いててビビった。さすがに雑巾はお湯につけて使ってたけど、それにしても雑巾に触れてる手の平は暖かくても、手の甲は冷たさを通り越して痛いに違いない。手袋(ゴム手袋)をはめてガラスを拭くのは失礼だとか、そこのブランドのガソリンスタンドは全国どこも手袋をはめない事になってるとか、そういうマニュアルでもあるのだろうか。
真っ赤になった素手から湯気を立たせて一生懸命窓を拭いてくれるその方の姿を見てるうちに、一昨年の暮れのブログに「北海道越冬手当特別法案を作れ!!」とかいうのを書いたのを思い出した。ほとんど冗談で書いた事だけど、でもホント、こういう人達にはそういうボーナスがあってもいいのに。それくらいに過酷な仕事をしてると思う。手当の財源はもちろん、北海道を選挙区にして議員になり、首相になって適当な事ばかり口にして国民を愚弄しまくった鳩山由紀夫大センセイの私財。国民愚弄罪で起訴されるべき人です。トラストミーと言い放ったあなたを一つくらいトラストさせて下さい。
危ないところでしたね。
無事で何よりです。
今日はこちらもちょっと雪が降っております。
そちらからしたら雨程度な感じですがw
確かに周りには色々な作家、クリエイターがいると、自分は人から依頼されたものを言われた通り作っているだけじゃないか?と思います。
僕も友人らの活動を見ていると複雑な気持ちになります。
でも喜んでくれる人を間の当たりにするとやってよかったと思う点では同じだと思います。
まぁでも僕から見れば吉岡くんは経営者に収まらず多方面に活躍している人という印象ですよ。
お互い頑張っていきましょう~
Posted by: Ryosuke Okabe | 01/20/2012 at 02:47 PM
okabeさん>
コメントありがとうございます!
ここのコメント、皆さん書きづらいらいと言って諦めてしまいますので、そこを乗り越えてコメントを下さったokabeさんに感謝です。
ありがとうございます!
僕があれこれやってるのは、okabeさんのような経営者としての能力、それが不足してるからなんじゃないかと思いますよ。
「彫刻作るんで仕事辞めます!」と言って東京離れたのに制作のスピードが逆に落ちてて、オレは一体どこに向かってるのだろうかと考えてしまいます。その割に作ってる物はあるから何者という肩書きをはっきりさせたくて、どこぞの有名人のようにハイパーメディアクリエイターと名乗ろうかと考えてみたり。でも、お客さんにありがとうと言って頂けると、自分が何者かなんてどうでもよくなります。
気の持ちようで辛くも楽しくもなるんじゃないかと、今さらながら気がつきました。
頑張りましょう!!
Posted by: Shigeto Yoshioka | 01/20/2012 at 06:40 PM