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突然ですが皆さん、「♪いーっぽすすんで前習え、いーっぽすすんで偉い人、ひっくりかえってぺこりんこ〜、横に歩いてきょろきょろ♪」って歌知ってます?NHKの子供向け番組でやってるアルゴリズム行進て曲なんですけどね、最近オレはその歌みたいな、10歩進んで撮影し、10歩進んで撮影し、ってな事をやってるんですよ。
といっても何の事だかわからんだろうからもうちょっと説明すると、道路を10〜20歩進んで自分が歩いてる側から車道を挟んだ対岸の町並みをパシャリと撮影し、また10〜20歩進んで撮影し、それを永遠繰り返して撮った数百枚の写真をつなげる、という制作を彫刻の制作と平行してやってるんです。2004年にパリで初めてそれをやり、昨年その活動を再開しました。以来、どこかに行く度にやってます。正月に嫁の実家に行った際も撮影しました。で、もちろん今回もそれも目的の一つとしてNYに来た訳です。1/10の日記に制作とかいたのもその事で、肩慣らしにMadisonAveの撮影をしていました。
この作品でA4サイズ100枚位(写真はたぶん500枚位)繋がってる。
簡単そうだからって真似すんじゃねーぞ。つーか、オレはチャンスがあればこの手法で100キロでも200キロでも500キロでも撮影する覚悟があるから真似したって無駄だぞ。ちなみに今までで一番長いのは距離約10キロ、撮影枚数約1600枚。その道を3回撮った。撮影枚数は合計で約4500枚。真似できっか?
昨年まで使ってたカメラはOLYMPUS CAMEDIA C-750 Ultra Zoom という2003年に購入した一眼ではない普通のデジカメ。オレはこのカメラのユーザーでは世界で一番シャッターを切ってると思う。年末にようやく一眼を購入した。今回もオリンパスのカメラ。という訳で・・・
オリンパスさん!!僕がこの制作に使ってるカメラは貴社製のカメラです!!最近買い替えたのも貴社製です!!
エプソンさん!!僕が出力に使ってるプリンタも用紙も貴社製のものです!!インクだってもちろん純正です!!
だから・・・僕の活動を・・・支援して・・・頂けませんか・・・?
今日はBrodewayを撮影するため、8時半にホテルを出てマンハッタンの南端のバッテリーパークから撮影を開始。撮影場所としてBrodewayを選んだのは、その名前が有名だからであるのと、マンハッタンのダウンタウンもアップタウンも中心部も通る一番長い道だったからニューヨークっぽさを写せるかなと思いまして。
寒い中息で手を暖めながら、それでも撮影は順調に進んでたのだけど、途中27thで対岸にいた黒人に「撮影するな!!」と怒鳴られ、駆け寄られ、囲まれ、その辺りにいた連中に睨まれ、その時は生きた心地がしませんでした。「分かった!!」と言ってすぐにカメラをしまいました。が、オレは結構往生際が悪い男でして、その後その界隈を散策する振りをしながら撮影再開を目論んでたのだけど、そこら辺りはオレを怒鳴ったような柄の悪い黒人だらけ。道ばたに段ボールを置いてその上で明らかにバッタもんと分かる鞄やら靴を売ってる。31thまでずーっとそんな感じ。こりゃいかん、ここを撮影するのは危険だ。と判断し、止むなく中止。きっとあの辺りにいる多くの黒人は不法滞在してるんだろうな。それで撮影されるのを嫌がるのでしょう。オレはあんたらを撮影してる訳じゃないのに。いい迷惑だよ、まったく。
ホテルに戻ってオープニングパーティーに行く準備をする。
5時、久保田と一緒にホテルを出発。久保田は少し寒気がするらしい。「グラウンドゼロに行ったから祟られたのかな」と言ってたが、久保田は御巣鷹山にも行ってるし、古戦場なんかは嬉々として足を運んでるのだから、祟られるんだったらとっくの昔に祟られてる気がするが。
それよりも、買ってきたジーンズを履いて、これ履くと足が長く見えるんですよと嬉しそうに言ってる久保田が面白かった。頭は武田信玄風にしていても、そういうところは普通に嬉しいんだな。
画廊に行くと大学時代にイーゼル工場で一緒に働いていたYさんが来てくれてたので驚いた!たぶん会うのは10年ぶり位になる。YさんがNYに住んでるのは知っていたが、住所知らんし、だからDM送る作業をしていた時に一瞬思い出しただけですぐに忘れてしまってた(Yさん、ごめんなさい)。なんでも、この展覧会の情報が日本人向けフリーペーパーに掲載されたんだそうで、そこにオレの名前を見つけてわざわざ来てくれたとの事。いやいやありがたい話です。
他の人、特にアメリカ人とはあまり話が出来なかったが、それでも時折作品について説明を求められたのでポートフォリオを見せつつ会話した。アメリカ人は話をして面白がって食い付いてくるのも、逆に興味を失ってるのも、すごく分かりやすいなと思った。欧米人にプレゼン力があるのが何となく分かった気がする。
今回の展覧会の話をオレに持ちかけてくれたのは友人のあかばねまきさんだが、彼女の友人、Kさんも来てくれ、少しだったけれど話が出来た。そもそもA-forestと日本人作家のネットワークを広げていったのは彼女なんだそうで、という事は彼女がA-forestと接点を持っていなければオレたちもここで展示する事はなかったという事。彼女は日本ではイラストレーターとして雑誌の表紙を描いたりして、かなり活躍していたようなのに、絵を描きたくてニューヨークに拠点を移したらしい。すごい人だ。かっこいいぜ。
明日、一足先に帰国する久保田はここがエイトクさん、アニータさんとのお別れの場となるので、閉廊後しばらく話しをした。熱い話。楽しかった。エイトクさんもアニータさんも楽しかったんじゃないかと思う。
オレは撮影が中断された話をしたら、エイトクさん、アニータさん、他皆さんそれはアンラッキーだった、普通はそんな事はない、もしまた撮影する気があって、また同じような状況に置かれる事があったら協力するから連絡して下さいと言ってくれたので、明日朝からまた撮影してみる気になった。朝だったら奴らもいないだろう。
久保田と二人、画廊からホテルまで引き続き熱い話をしながら帰る。
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