オレが北海道に戻ってきたのは2008年7月1日。昨日でちょうど3年になるのだが、オレには地元芦別にほとんど友達がおらず、東京にいた頃に比べると飲む回数が激減した。ムサビにいた12年間は吐く程飲む日が毎週あったけど、今年に限っていえば、全く酒を飲んでない。もともと自ら進んで飲むタイプではないし、芦別にそういう環境を望んでた訳ではないから、それは別に問題ないのだけど、それでも話を聞きたくなる人というのはいる。そんな事を以前個展でお世話になった百年記念館の館長、長谷山さんにお話ししたら、昨日飲み会をセッティングしてくれた。
長谷山さんが声を掛けてくれた方は、ガンプラ等のプラモデルを数ヶ月かけて精巧な一点ものに作り上げるプロのモデラーPOOH熊谷さん、それからオレと同じように仕事の傍ら書道の創作活動を続けている柳瀬拓也さん。だいぶ前にお二人の作品を見る機会があって、以来気になっていた二人だ。
熊谷さんはご自身で作ったものだけで生計を立て、家族を養っている100%のプロフェッショナル。すげーぜ!!昨年百年記念館で開催した個展では、それまでの百年記念館の動員数記録を塗り替えたんだそうで、その業界ではかなりの有名人らしい。そんな人が芦別にいるのが不思議だよ。作品については、その造りの緻密さにただただ脱帽します。
プロフェッショナルというところでオレとは随分違うけれど、それでも立体を作っているところや、年齢が45才で割とオレと近いところ、あと、自分の顔が強面だと言われることに自覚がなさそうなところに共通点を感じ、気になる事をいろいろ質問し、お話しを聞かせてもらった。
柳瀬拓也さんについては、数ヶ月前に地元の図書館で作品を展示していて、それでそういう人が芦別にいるのを知った。20代後半でまだまだ若いのに、書道でやりたい事、そこで培ったものをバックボーンにしてデザインの仕事もしている事、そういう創作活動に至った経緯を酒を飲んでもしっかりと言葉に出来るところがエラい。オレが同じくらいの頃は酒を飲んだら下らん話しか話せなかった。
というか、40才になった今でもオレはそんな話しか出来ないようで、昨日も、パリにいた時に行ったあるパーティーで、2メートルはありそうなスイス人の男に「オレの部屋に行って二人で飲まないか♡」と誘われた事、それは明らかに飲むだけでは済まない「oh yeah!! ah yeah!!」な一晩をヤツは求めていた事、オレはそちらの方々に好意を持たれる事が多いとか、制作とは全然関係ない話をしてしまった。パリの話なら、せめて「マレ地区がさ」とかもっと素敵な話をした方が喜んでもらえるのかもしれないが、長谷山さんから「こいつは男根作らせたら世界一なんだよ」なんていう紹介を受けた事もあり、話がどうしてもそちらに流れてしまい、結局オレはずっとそんな話をしていた。
三人にはウケてたから、昨日はそれでよかったのだけど、今朝布団の中でふと、今1才の娘がいつか自分の父親がそんな人間だと分かったら絶対に嫌うに違いないという思いが頭をよぎり、それが今からちょっと心配になってきた。
やっぱり、素敵なパリの話が出来るようにならないといかんな・・・。
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