先日オーストリア大使館での展覧会に招待してくれたウォルフガング一家が昨日帰国した。
クボタ
も彼らと知り合いなのだが、彼は彼らの帰国前々日という絶妙なタイミングでドイツから帰国していたので、彼も交えて一昨日の晩に会った。場所はウォルフガングが行きたがっていた乃木坂の店。しかし彼は事前に店の名前を教えてくれず、ただ「Japanese restaurant」とだけ言ってたので、わざわざ乃木坂行って和民でもあるまいし(乃木坂に和民があるのか知らんけど)、高級な店にでも行こうとしてるのか?とちょっとビビってた。
集まったのはウォルフガング一家とウチの家族、クボタ、それからウォルフガングの知り合いの日本人女性。
ウォルフガング一家は翌朝9時には成田空港に行かねばならないから酒はあまり飲まないようにしようと言ってたのに、帰国したばかりで日本酒を飲みたくてしょうがないクボタが約束とは違うペースで飲み始めたため、ウォルフガング、それから彼の嫁さんのミラも釣られてすげー飲み始めて、いつもと変わらない飲み会になってしまった。
オレはというと、楽しく飲みつつ、でもその時点ではまだそこが高い店だと思っていたから、彼らが酒を注文する度に、会計が恐くて、お腹がちょっと痛くなった。しかし会計してみるとむしろ安く思うくらいだった。店員さんもいい人達ばかりだったし、魚も美味しかったし、いい店だ。店の名前は「魚真」さん。
その店にいる時からウォルフガングとミラがカラオケに行きたいと言ってきかなかったので、次にカラオケに向かったのだが、条例で、カラオケには親がいても10時以降子供は入れない事になっているんだそうで、彼らもウチも子連れだったのでそれを理由に断られた。そのため、そこでお別れすることになったのだが、別れの挨拶を交わしているうちに、ミラの目が段々赤くなっていき、今度はウィーンに来てちょうだいと言いながら涙を流されてしまった。
ミラはベオグラード(旧ユーゴスラビア)出身で、だから、うちの子供の名前がユウゴと知り、すごく喜んでくれた(ユーゴは南という意味)。彼女は普段は英語しか話さないけど、ユウゴに話しかける時は、聞いた事ない言葉を口にする。たぶん彼女の母国語。最後、別れる時もそうだった。彼女がそうする事に特に深い意味はないだろうけど、別れ際にも涙を流しながらそうしてユウゴに接してくれるのを見て、彼女の国はもうないのが頭をよぎり、別れる淋しさとは別に切なくなってしまった。日本がバラバラになって別の国になるなんて、想像すら出来ん。
彼らは今はもうウィーンにいる。
次はこちらから行く番です。いつになるか分からんけど。
写真はユーゴスラビアつながりというだけで本文とは関係ないのだけど、クボタからのお土産の、ユーゴスラビアの大統領、チトーのポスター。
クボタはオレがユーゴスラビアが好きで、それで子供にユウゴと名付けたと勝手に思っている。そのため先月制作のため訪れたマケドニアでこれを見つけ、わざわざ持ってきてくれた。
まあ、名付けの経緯は別として、こんなレアなポスターを持っているやつは日本にはきっといない。渋い。渋すぎる。
ありがとう、クボタ。
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